2026/02/13 16:49

「いつも同じ味ですか?」
コーヒーをやっていると、よく聞かれる質問です。
でも正直に言うと、
同じ味を続けようと思ったことはありません。
それは、気まぐれだからでも、
不安定だからでもありません。
むしろ逆で、
ちゃんと向き合っているからです。
コーヒーは、そもそも同じにならない
コーヒー豆は農作物です。
同じ農園
同じ品種
同じ精製
そう書かれていても、
まったく同じ状態で届くことはありません。
水分量
密度
硬さ
香りの立ち方
少しずつ、必ず違う。
それなのに
「同じ味を作る」
と決めてしまうと、どうなるか。
焙煎は
豆に合わせる作業から
味に合わせる作業に変わります。
私は、それをしたくありません。
同じ味を守るということは、無理をさせること
味を固定すると、
焙煎士はこう考え始めます。
「ここまで火を入れれば、あの味になる」
「少し焦がしても、帳尻は合う」
それは
豆よりも、結果を優先する焙煎です。
でも私は、
豆が今どんな状態なのかを見て、
その都度、判断したい。
その結果、
味が少し変わることがあってもいい。
むしろ、
変わらない方が不自然だと思っています。
変わるのは「方向」、変わらないのは「基準」
同じ味は続けません。
でも、基準は変えていません。
・甘さが残ること
・重たさが濁らないこと
・冷めたときに崩れないこと
・飲み終わったあとに、もう一口ほしくなること
毎回、その基準に照らして焙煎しています。
だから、
味は少しずつ違っても、
「よしむら珈琲らしさ」は残る。
それが、
同じ味を続けない代わりに、
守っているものです。
定期便という形にした理由
同じ味を約束しないコーヒーは、
店頭では説明しきれません。
だから、
定期便という形を選びました。
その時いちばん良いと思う焙煎を、
理由と一緒に届ける。
「今月は、こう判断しました」
そう伝えられる関係でいたい。
それが、
同じ味を続けない焙煎にとって、
一番誠実な届け方だと思っています。
もし、変化を楽しめるなら
毎回、少し違う。
でも、方向は同じ。
それを
面白いと思える人にだけ、
このコーヒーは向いています。
もし、
「今日はどんな焙煎だろう」
そう思いながら淹れる時間が、
少し楽しみになったなら。
それが、
同じ味を続けない理由です。
